午前10時からガキクラの勉強会に出席。
講師は「人と自然の博物館」の宮崎研究員と客野研究員。イギリスのエデンプロジェクトを視察した2人から、プロジェクトの概要を説明してもらった。興味深かった点は以下のとおり。
・同じくイギリスのKEWには植民地時代に世界から集めた植物があった。ところがEDENにはそういうストックがない。敷地も陶土採掘跡地で草一本生えていない。その状態から植物園を作るにあたって、プロデューサーはストーリーを作った。荒廃した土地を楽園にするストーリー。僕たちの生活がどれだけ植物に頼っているのかを理解するストーリー。世界の文化と植物との関係を示すストーリー。いくつものストーリーがエデンプロジェクトを支えている。
・ケーキを作る際の材料がほとんど熱帯雨林地帯から持ち込まれていることを示す展示、コカの木の横にコカコーラの缶で作った木を立てる展示、ゴムの木の前に設置されたタイヤのベンチ、山火事が起きた後の森林を再現した展示、汚れた食器が溜まったキッチンに這う生きたゴキブリの展示など、僕たちの生活と植物との関係にフォーカスした展示が多い。
・研究者は園内ガイドに向いていない。研究者は、来園者が何を知りたいと思っているのかが分からないから、自分の知っていることをすべて話そうとする。園内をガイドする人は、自分が伝えたいことではなく来園者が知りたいことを提供する必要がある。
・プロモーションがうますぎるため、実際に現地へいくとがっかりする側面も多い。ただし、逆に夜間の照明や音楽や踊りなど、パンフレットやホームページでは読み取れなかった魅力に出会うことも多い。
勉強会のなかで、宮崎研究員がエデンプロジェクトを紹介するビデオを見せてくれた。敷地が植物で覆われる前の陶土採掘跡地の映像がたくさん登場する。計画地上空をセスナ機で飛んで撮影したであろう航空映像も登場する。整備が始まる前からプロジェクトの一部始終を映像で残しておくことの重要性を実感した。ユニセフパークプロジェクトの敷地が荒廃した里山だということを映像に残しておくべきである。
夕方からは、同じく「人と自然の博物館」の赤澤研究員の結婚記念パーティーに出席する。以前、同博物館の運営計画の策定を手伝ったこともあり、当時議論した懐かしい研究員たちとの再会を楽しむことができた。また、赤澤研究員とは大学の研究室が同じだったため、研究室の先生や先輩後輩と久しぶりに再会することができた。
エデンプロジェクト
エデンプロジェクトの夜景
山崎
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