クルマで愛知万博長久手会場の前を通る。
万博のための道路、万博のための駐車場、万博のための鉄道、万博のためのバス。行政はいずれも「万博のためだけではありません」と説明しているそうだが、どう考えてもあれだけの道路や駐車場や鉄道やバスを必要とするような郊外住宅地が万博会場付近にできるとは思えない。いや、物理的に無理やり作り上げたとしても、あの場所に住みたいと思う人がそれほど多いとは思えない。
すでに長久手町の古いニュータウンでは人口減少が顕著になりつつある。空き地や空き家も徐々に目立っている。20年ほど前、愛知万博の会場近くに開発された「長久手ニュータウン」には今も売れ残っている空き地が続いている。その一方で、同じニュータウン内に転居して空き家になった家も点在している。買い手を待つ土地と住み手に捨てられた家が共存する古いニュータウン。
空き地が続く「長久手ニュータウン」
すでに空き家と化している住宅
そんな長久手町に、巨額の税金を投入した新しい郊外住宅地を開発して、道路や駐車場や鉄道やバスの定常的な利用者が確保できると信じ込むのはあまりに楽天的過ぎる。
新たに作られた「名古屋瀬戸道路(900億円)」や「東部丘陵線リニモ(1100億円)」を眺めながら、成長時代の思考が未来の社会に負の遺産を残してしまったことを実感した。同時に、少しでも早く「人口減少時代の計画論」を構築するべきだという気持ちになった。
低速リニアモーターカーの「リニモ」
鉄道のチケット売り場は10ブース用意されているが客は見当たらない。
山崎
よぉく見て頂けていないように思います。
返信削除長久手ニュータウンは数十年をかけて徐々に人口が増えています。
一斉に入居して一斉にに高齢化が進む団地の開発とは異なり、バランスのよい年齢構成となっています。
確かに不便なところではありますが、「居住環境」としては安価で穏やかなところだと思います。
この記事の出稿から5年以上が経過しているようですが、そのスローな発展とスローな雰囲気をもう一度ご確認頂けたらと思い、コメントをさせて頂きました。