1月12日(月祝)
午後から大阪府立大学大学院の設計演習講評会へ。E-DESIGNの忽那さんが指導した設計演習の成果を学生が発表する。既存の公園や緑道を改修するというテーマだったが、既存の緑が大きく育っている現状を維持するため、ハードにはほとんど手をつけず、ソフトのプログラムによって場所を魅力を向上させるというプランが多かった。
数年前から府大の設計演習でもソフトのプログラムや組織などを提案するものが多くなってきた。このこと自体は時代の潮流を読み取った優れた提案だといえよう。しかし、その提案方法がまだ定まっていないため、ほとんど文字やイメージ写真ばかりで、その提案を受け入れた場合にどんな素敵な将来が待っているのかが実感できないものばかりである。
ハードの設計については、平面図や断面図や立面図や模型など、将来できあがるであろう空間をイメージさせるツールがたくさん開発された。それを使って将来像を思い描くことができるようになった。ところがソフトのマネジメントについては、どんなツールを用いて将来像を示せばいいのかが定まっていない。ダイアグラムや写真や文字やデータを組み合わせて、自分が提案するプランを受け入れた場合にどれほどすばらしい未来が待っているのか。それをうまく伝えるツールを開発しなければならない。そんなことを実感した。
1月14日(水)
9:00から、iopの永田さんと水都大阪2009の事務局メンバーとで打合せ。水都大阪2009のボランティア募集やその組織化をどうするのかについて議論した。
13:00から、スタジオにて慶照保育園の改修設計について打合せ。できることが限られた設計になるため、極力利用者が空間をつくる部分を多くする。材料と道具を揃え、指導できる職人さんが1人いればできることはなるべく工事に入れ込まないという方法で設計を進めたい。
15:00から、i+d workshopの学生たちとプランのブラッシュアップ。東京ミッドタウンのデザインハブでの展覧会と、その後出版される本の両方に掲載されるプランとなるため、入念な打合せを行う。
19:00から、スタジオにてネルの川口さん(メリーさん)と打合せ。以前、ユニセフパークプロジェクトのファシリテーター養成講座でお世話になった人だ。今回は、大阪府営泉佐野丘陵緑地のパーククラブ養成講座にて講師をお願いした。公園予定地の自然の魅力を分かりやすく受講者に伝えてもらいたい。
20:00から、スタジオにてGOSiZEの藤田豪さんと打合せ。伊賀市で進めているS邸の新築工事について相談する。できるだけ室内空間を少なくし、ほとんどの行為は屋外で済ます住宅のあり方について議論する。
1月15日(木)
9:00から、京都府城陽市にて木津川右岸運動公園の運営会議を開催。座長は京都大学名誉教授の吉田博宣先生に引き受けていただく。吉田先生は以前から木津川右岸運動公園の計画に関わっていて、これまでの経緯もよくご存知である。砂利採取跡地である公園を緑化しつつ、その場所をどのように活用していくのかについて活発な意見交換が展開されることを望む。
14:00から、大阪府箕面整備事務所にてみのお森町の地域共生事業について打合せ。新しく開発されたみのお森町の住民と従来から居住している集落の住民とが一緒に楽しめるプログラムについて検討する。
1月16日(金)
午前中から思いも寄らぬ腹痛。なかなかベッドから起き上がれない。
11:00、何とか起きて京都へ向かう。
13:00から、北白川小学校にて子どもと遊ぶワークショップを実施。京都造形芸術大学のこども芸術学科の学生たちが小学3年生とともに体育館で遊ぶワークショップを実施した。3つのグループに分かれて準備したプログラムを同時多発的に実施する。1つのグループは巨大カルタを実施。自分たちでつくったオリジナルカルタに独自の文字をつけて、みんなでカルタあそびを展開する。巨大なカルタを体育館にばら撒いて遊ぶため、テキストの朗読が始まるたびに子どもたちが走り回ってカルタを見つけては滑り込んで取ろうとする。迫力のあるカルタである。2つ目はなりきり写真撮影。あらかじめ用意しておいたポスターやマンガのワンシーンなどをこどもたちに見せ、それと同じような場所を探して同じような人数で同じような衣装を着て撮影する。もとの写真と自分たちが撮った写真とを見比べるというゲーム。3つ目はパレード。各自が好きな衣装をつくって、楽器を持って体育館内をパレードするというもの。参加者は思い思いの衣装をつくって身にまとい、いろんな楽器を手に持って体育館内を練り歩いた。とても楽しい時間を過ごすことができたはずである。が、僕は腹痛に悩まされて隅のほうから楽しそうな風景を眺めていた。
19:30から、スタジオにてS邸の施主打合せ。基本的な方向性を確認した。2月中旬くらいまでにはラフな平面図を作り上げて再度確認することになった。また、土地の諸条件を確認して建物のボリュームなどを確定させることになった。
1月20日(火)
午前中に大阪から東京へ移動。
13:00から赤坂の博報堂にて「i+d workshop」の打合せ。特に出版に向けて、デザインやレイアウトや文章などの詳細な打合せを行った。また、最終展示会に向けて学生のアイデアをさらにブラッシュアップさせるべく内容について議論した。
この日は赤坂のホテルモントレに宿泊。
1月21日(水)
10:00から、東大にて研究室会議。パークマネジメントの論文について、全体の骨子と現在の進捗状況、今後の研究計画について発表した。
午後からは図書館にて論文を検索。コピーできるものはできるだけコピーして持ち帰る。
19:30から、銀座にて都市再考会議の新年会に出席。都市再生機構の武田重昭氏が呼びかけて集まったメンバーは、知らないうちにかなりの数になっている。あいにくニシダオサムさんは欠席だったが、藤村龍至さんや中島直人さんや池田雪絵さんなど、以前知り合ったメンバーと再会。新しく知り合った人のなかでも、古田秘馬さんはとても面白いプロジェクトを手がけているという印象を持った。ぜひまたお会いして情報交換したいものである。また、鹿島出版会の川尻大介さんとは、僕が特にオススメな洋書についていろいろお話した。円高の現在、洋書を翻訳して出版するための交渉も有利な状況なんだとか。この機会にぜひとも優れた洋書を日本に紹介したいものである。この日は終電の新幹線で大阪へ戻らなければならなかったため、21:00には会場を出た。もう少しいろんな人と話をしたかったのだが。。。
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