6月19日に大阪の梅田にて「いま、建築に何が可能か」というシンポジウムをやる。そのコーディネートを担当する立場として、6組/人の出演者たちに以下のようなことを問おうと思う。
・日本の人口が減り始めた。2015年には世帯数も減り始める。
・新設の公共事業費は2020年にゼロになる。つまり博物館も美術館も新設は発注されない。
・住宅の新築着工数は100万戸から50万戸に減る。
・建設業と選挙の票が結びついていた時代が終わった(民主党政権)。
・上記を踏まえると、いまの建設業の不況は一次的なものだと考えるのは楽観過ぎるのではないか。
・今後の国内設計案件数は、減ることはあっても増えることはない。
・とすれば取るべき態度は以下の3点。(1)海外で設計人生を歩むか、(2)国内で設計以外の仕事にスキルを応用するか、(3)減り続ける国内設計案件を取り続けるよう努力するか。
・いずれにしても、建設業界が急速に小さくなっていくので、建築家の発言力が相対的に小さくなることは間違いない。二川さんの言うとおり、丹下さんや磯崎さんの時代に比べて建築家の発言は日本社会に影響を与えなくなっている。
・そういう社会で従来型の建築を延長させたいのか、それとも建築のスキルを別のことに活かしたいのか。
・上記3つの選択肢で言えば、ぼくは(2)と(3)に興味がある。みなさんにお尋ねしたいのは、(2)で生きようとするならそれはどんな仕事なのか。そのための戦略は何か。(3)で生きようとするならどんな建築を設計して生き残ろうとしているのか。それは人生を賭けてやる意味のある仕事なのか。
・(2)にしても(3)にしても、道が険しいことは確か。どう立ち向かおうとするのか、その覚悟と戦略が知りたい。
以上のことをメールにて出演者のみなさんにお送りした。どんなプレゼンテーションが聞けるのかが楽しみである。
→シンポジウム「いま、建築に何が可能か」
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