塚本さんの「トーキョーリサイクル計画」を読む。
2001年8月に出版されたメイド・イン・トーキョー(ホームページはこちら)における観察を通じて、塚本さんは東京という都市に何をどの程度意味あるものとして定着していくべきかを考えるようになったと言う。いまさら新たに巨大な建物を作るとか、理想的な都市をつくりあげるなんていう定着の方法は考えられない。それなら、すでに身の回りにあるものをうまく使いこなせないだろうか。そんなことを考えていたら「リサイクル」という言葉が思い浮かんだのだと言う。
こうした塚本さんの発想は、単独の建築物に注目するのではなく、建築と周りの状況をセットで考える「環境ユニット」や「都市の生態学」という概念に通じるものがある。環境ユニットという視点で考えれば、すでにそこにあるものの配列を替えたり、繋げ方を変えることで生産的な別の状態ができるのである。
例えば棚田の開墾について考えてみる。棚田を開墾する際、土の中からたくさんの石が出てくることだろう。この石を田んぼの周りに積むことで棚田を作り上げる百姓さんのように、何も足さず何も引かずに新しい状況を生み出すのがカッコイイんだ、と塚本さんは言う。
都市を丸ごと作り変えるということではなくて、いまあるものを受け止めた上で、それらを組替えたり繋げ変えたりする「リサイクル」という方法。そういう都市の更新/再生方法があるんじゃないか、というのが塚本さんの意見だ。
僕も同じ意見だ。「都市に原っぱなんて要らない」に記したとおり、僕は「作らないこと、壊すこと、間引くこと」で豊かな空間を作りたいと思っている。これらの方法に加えて「組替えること、繋げ変えること」によって豊かな空間を作ってみたいと思う。
山崎
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。