コラボ研のフィールドワークで和歌山県の友ヶ島へ行く。
友ヶ島は戦争遺産(国防遺産)で有名な島。日清戦争の頃から船や潜水艦を狙って攻撃できるような設備が整備され始め、第2次世界大戦頃にすべてが完成したという。ところが、アメリカ軍は船じゃなくて飛行機でやってきたため、結局友ヶ島の砲台は使われること無く終戦を迎えたそうだ。
そんな少し間抜けな歴史が、戦争遺産を純粋に土木構造物の廃墟としてみることに役立っている。この島の廃墟を見ると、石の廃墟、レンガの廃墟、鉄の廃墟、コンクリートの廃墟、木の廃墟がそれぞれどんなものかを体感することができる。やはり、一番美しいのは「石の廃墟」であり、もっとも醜い(あるいは跡形も無い)のが「木の廃墟」であろう。
ただし、木造の廃墟は天井が落ちて日光や雨が室内に入り込むため、すぐに樹木が廃墟を覆い始める。つまり、木造の廃墟はその醜さを露呈する期間が短くて済むのである。そう考えると、もっとも問題なのはコンクリートの廃墟だといえるかもしれない。消えうせないくせに美しくない廃墟。
鉄筋コンクリート造が多い日本の郊外住宅地は、果たして美しい廃墟になれるのだろうか。友ヶ島を見ながら50年後の郊外住宅地について夢想してみた。
石の廃墟
レンガの廃墟
鉄の廃墟
コンクリートの廃墟
木造の廃墟(屋根が落ちて室内に樹木が生えている)
山崎
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