午前中は京都府綾部市へ。限界集落への対策として早かった「水源の郷条例」について、その担当者である朝子さんにヒアリングする。どこも悩みは同じようだ。人口減少、高齢化、放棄田、森林の荒廃、空き家や空き地、鳥獣害。日本中の集落が対応策を求めている。集落の問題をテーマに研究をする必要性を実感。HEMの研究成果は、必ず集落の人々にとっての参考になるものにすべきであると気を引き締める。
水源の郷条例は5年の時限条例。最終的には水源の森を使う事業が生まれることを期待している。が、現在のところは水源涵養の森や田畑に関する仕事を始める集落はなく、別のことを計画する集落が多いという(お菓子作りなど)。お菓子づくりが今後どのような活動につながるのか、動き始めた集落の活動が今度どう発展していくのかが楽しみである。
夕方から半農半Xの塩見さんを取材。落ち着いた静かな人だが、興味深い話が次から次へと飛び出す人。独り占めが嫌いな人なのか、何でも共有したがる。人間同士の共有もあるし、鳥や昆虫や雑草とも共有しようという考え方。稲を育てているのだが、それはすずめに食われても仕方が無いという考え方からネットをしない。自分の田んぼで実った稲穂も、ある程度はすずめに食べられても仕方が無いと考える。自分の蔵書も廃校になった小学校(母校)の保健室において誰でも参照できるようにしてある。独り占めしないという主義が、すがすがしいほど徹底されている。
自分が持っている力をすべてひとつの事業に注ぎこむこと。いろいろやるというのは力の分散になってしまうので、もったいない。テーマを決めたらそれに全精力を注ぎ込むというのが塩見さんのやり方は見習いたいところである。あれもこれもでは大成しない。何に絞り込むのか。そこが重要だと感じる。
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