この都市の基本的な考え方は、インドの哲学者スリ・オーロビンドが唱えた「人類は、自己中心的な存在から共生主義的な存在へと進化しなければならない」というコンセプトに基づいている。具体的な都市の建設は、オーロビンドの弟子だったフランス人芸術家ミラ・アルファッサによって進められた。
現在の人口は1500人。インド政府によるロ護法やユネスコによる支援によって、オーロヴィルは着実に安定した都市へと近づいている。オーロヴィルでの生活に規則はなく、良心に基づいた行動が尊重されている。また、明確な指導者の存在を否定していることも特徴的である。
都市の作り方にしても、基本的なマスタープランはあるものの、細部は住民の興味に任せて作られている。新たな試みや実験を繰り返しながら同時多発的に都市建設が進んでいる。ゴールが設定されていないため、急激な開発も起きずゆっくりと都市建設が進められている。
1500人もの人が暮らし、基本的なマスタープランを軸にゆっくり都市建設が進められているオーロヴィル。そこには規則も指導者も存在しない。確かに宗教っぽい匂いのする側面も多い。しかし細かな教義が明文化されているわけではない。緩やかな信条のようなものが住民の間で共有されているだけだ。
オーロヴィルの建設が始まったのは1968年。この都市が60-70年代のヒッピー文化を引き継いでいることは確かだろう。ほかのヒッピーコミュニティと同様、オーロヴィルも熱心な環境保全主義コミュニティである。
程度の差こそあれ、「作り続けるプロジェクト」は思想や宗教の力を借りなければ持続させられないのだろうか。特にカタチに関する宗教的な側面を抑えることはできないのだろうか。オーロヴィルの中心部には、いかにも宗教的なモニュメントが建っている。
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オーロヴィルの中心部
山崎
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