2004年10月26日火曜日

「井下清」

小野良平さんの「公園の誕生」と白幡洋三郎さんの「花見と桜」を読む。江戸期から明治期にかけて、公園や公園的な空間でどんなことが行われていたのかがよくわかる。「公園の誕生」では制度や計画について、「花見と桜」では庶民のレクリエーションについて、それぞれ詳しく書かれている。

この時期の公園関係者で気になる人がいる。明治期の東京市公園課長だった井下清さん。この人、東京の公園をたくさん計画した人なのだが、子どもの遊び場についてこんなことを言っている。

「児童遊園の価値を生ずるものは面積にあらず、施設にあらず、実に指導者如何によるのである。それは単なる体操教師役にあらずして遊園を如何に有機的に運用するかの手腕を要する。」

児童公園の価値は、面積の広さではなく、施設の充実度でもなく、実際はプレイリーダーの質によるところが大きいんだという。しかも、単に遊びを教えたり危険を回避したりするだけのプレイリーダーではなく、公園のマネジメントもできるような人間である必要があるんだという。

的を射た言葉である。こんなことを大正期に考えていたわけだから、井下さんってのはすごい人だと思う。当時は「まだまだ公園が少ない」「遊具広場を増やせ」という時代だったのだから。


井下清

山崎

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