2007年と2008年の2年間、島根県海士町の総合振興計画を住民参加で策定するお手伝いをした。通常の総合計画だけでなく、参加した住民の皆さんが提案したプロジェクトをまとめた「別冊」をつくった。
この「別冊」に掲載されたプロジェクトが今、続々と実現しつつある。そのうちのひとつ、7番目のプロジェクトである「海士人宿」が保育園跡地に誕生した。
保育園を改修する際、その設計もお手伝いさせてもらった。最低限の改修で済ませ、ワークショップで島の人たちと一緒につくりあげることのできる箇所はみんなと一緒につくりあげた。
そんな海士人宿で、2月13日に試行的イタリアンレストランイベントが開催された。海士町出身で、東京やイタリアでイタリア料理を学んだ人が島へ戻ってきて、いずれイタリア料理店をやろうと思っているということで、総合振興計画のメンバーたちが彼女と一緒に1日限定のイタリアンレストランを開店してみたのである。
メニューは以下のとおり。
オープン直後から厨房は大忙し。
厨房チームのみなさん。
料理はかなりおいしい。海士の食材をうまく活かした料理ばかり。
海士の陶芸家が焼いた器も使われている。
ホール担当は、このプロジェクトを提案した「ひとチーム」のメンバーたち。
「暮らしチーム」のメンバーも助っ人に。
みんなでエプロンをそろえたようだ。
バーカウンター担当も「ひとチーム」のメンバー。
こども連れの家族のために「キッズルーム」も設けた。
後半には「ひとチーム」メンバーが所属するバンドによる生演奏。アンコール時のドゥービーブラザーズは感動ものだった。
演奏が始まると、キッズルームからこどもたちが飛び出してくる。
地元の人が主催すると、若い人もお年寄りも集まるのがいい。
レストラン閉店後は、こどもたちも一緒に片付け。
島の人たちが協力し合って、島の良さを活かし、島の生活を目一杯楽しむこと。そこには、東京や大阪に住む人が本気で羨ましがるような人間関係があり、美味しい食事があり、楽しい空間がある。総合振興計画で謳った「島の幸福論」というのは、こういうことを意味しているんだな、ということが改めて実感できた。そして、住民からこういう提案が出てきたら、それをサポートできる海士町の教育委員会もすばらしいと思った。
教育委員会は、今後もこういう活動が保育園跡地で行われることを望んでいるという。
そして、僕たちの名前もちゃんと紹介してくれている「ひとチーム」のみなさんに感謝!
これだから海士でのプロジェクトはやめられない。