2009年2月11日水曜日

雑記

2月8日(日)
午前中は大阪から山口県へ移動。
13:00にヴェルコリーヌ山口の販売センターに集合した山口大学の学生たちとワークショップの事前ミーティングを行う。集会所設計のためのワークショップを行うにあたって注意すべき点などを共有した。
15:00からワークショップだったが、参加者が思いのほかに少ない。自治会が成熟していないという問題や告知の問題、開催場所の問題、その他の問題など、いろいろな課題が考えられたが、集会所を建設する以前にコミュニティ形成をしっかりしなければならないことを実感。いろいろなことを学ぶことができたワークショップだった。
19:30の新幹線にて大阪へ向かう。22:00頃に梅田到着後、島根県海士町から視察に来ているメンバーと合流。なぜか梅田の焼肉屋で大盛り上がりだった。そのなかに入って焼肉を食べつつ、海士町の総合振興計画について話し合う。その後、場所をバーに移して午前3時ごろまで話し合う。特に総合計画策定のプロセスについて、僕たちが何を考えていて海士町役場職員や住民が何を考えていたのかについて議論した。それにしても楽しい人たちである。そして素直な人たちである。よそ者である僕たちを信じたいが、どう信じればいいのかわからない、という当初の葛藤をありのままに話してくれた。都市ではあやふやにされてしまうような「人と人との結びつき」を、自分が納得するまで確認したいという率直な会話のなかに、とても大切なものを見たような気がした。

2月9日(月)
朝からHEMにて多自然研の資料づくり。昼食は研究所長の林敏彦先生と研究員のみんなと一緒に食べる。昼食時に林先生から聞いた「夏目漱石による芸術的真実と科学的真実について」という話はとても興味深かった。特に建築のような芸術的側面と科学的側面を同時に背負って設計を進める職能にとって重要な話である。かつて絵画や文学の世界で模索された「自分にとっての真実とは何か」という問いは、まさに現在でも僕たちが模索し続けていることとほとんど同じだということに驚いた。
16:00から、兵庫県の県民会館にて中瀬勲先生と打合せ。多自然研の最終とりまとめにあたって、政策提言のあり方について相談した。都市部の若者を多自然居住地域へ送り込むための中間支援組織のあり方について考えるようアドバイスをもらう。現在の若者の多くは、田舎暮らしにあこがれて多自然居住地域に住みたがっている。また、研究者も論文を書くための集落へ入りたがっている。ところがこういう人たちのほとんどは3年くらいでまた都市へ戻ってくる。多自然居住地域にとって、その種の人たちは必要ないのである。集落をかき回して、いろいろ手伝ってもらって、3年したら集落を捨てて都市へ戻る。これまでそんなことを繰り返してきたのではないか。そろそろ、本気で多自然居住地域に住んで、新たな事業を興して、都市部ではできないような生活と仕事を展開するような若者を育てるべきだろう。そのための実践的な教育について言えば、現在の大学だけでできることではない。大学や研究所や集落が協力しながら、理論と実践を両方学べるようなプラットフォームをつくる必要がある。兵庫県は、集落の支援という意味も含めて、新しいタイプの仕事を生み出す若者を集落へ送り込むための組織をつくるべきだ、という提言をしようということになった。これまで考えてきた「集落支援機構」というアイデアが少し前進した。同時に、集落の健康状態を把握して、活性化や撤退について助言し、集落構成員とともにその方策を検討する「集落診断士」という職能についても提案した。今回の政策提言では、集落支援機構と集落診断士について具体的なビジョンを提示することにしたい。

2月10日(火)
15:00から、箕面森町にてワークショップ。箕面森町やダム事業地に関係する各主体(大阪府、箕面市、国土交通省、地元集落、小中学校、豊田通商、地元NPO)が集まって、これからのまちづくりについて話し合う。来年度以降、順次検討を進める具体的なプロジェクトを提示し、誰が主体的に取り組むのかについて話し合った。条件によるものの、概ねプロジェクトの主体が見えてきたことは大きな成果だったと思う。いずれの主体も、箕面森町およびその周辺地域に住む人たちが豊かな生活を実現できるように、それぞれのプロジェクトに参画しようとしていることが頼もしかった。今後、具体的な条件等について更なる検討が必要になるものの、共有する想いが確認できていれば大きく道を逸れることはないだろう。

2月11日(水)
10:00から、総合地球環境学研究所にて「撤退の農村計画」の打合せ。NPO法人化に向けて具体的な内容について話し合った。いずれも現在の集落が抱えている問題を解決するために、自分ができることは何かを見つけようとしている人たちが集まっているため、議論が創造的なのがうれしい。法人の名称をどうするか、役職をどうするか、会費などをどうするか、事業内容をどうするか、事務所の所在地をどうするか、事務局長をどうするかなど、かなり具体的な話を進めることができた。

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