午後からタケオペーパーショーを見に行く。毎年恒例の「紙の展覧会」である。アーティストやデザイナーが、紙をテーマにした作品を作り出す。今年のデザイナーのなかには、建築家の塚本由晴さんの名前があった。
塚本さんの作品は、今回のテーマカラーであるオレンジの紙でアーチを折るというもの。その大きさが尋常じゃない。直径10mほどあるような紙のアーチなのである。幅は1m程度。このアーチを何個も作ってつなげると、半円柱形のシェルターができる。紙の防水性を高めれば、折り紙による建築が作れるかもしれない。そんな提案だった。
このアーチ、実は別のワークショップで集まった学生たちと作ったものだという。神戸のアートセンターが主催したワークショップで講師を務めた塚本さんは、タケオペーパーショーのための折り紙アーチをみんなで作ってみたそうだ。アートセンターのワークショップをペーパーショーに出品する作品づくりに活かす。これはうまい連携である。何かの講師を頼まれたとき、別の案件のための作業を効果的に実施する。そういうことができれば、極端な話、頼まれた仕事の半分の仕事量ですべての依頼に応じることができる。
「忙しい、忙しい」とつぶやく前に、塚本さんのような「仕事の連鎖」を考え出すべきだ、と自省の念に駆られた1日だった。
山崎
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