昼からバークレーのMIGへ。昨日古本屋で購入した大量の本もMIGに運び込む。
14時からはMIGのジョアン氏にアメリカにおけるパークマネジメントの動向を聞く。パークマネジメントは、単に公園を維持管理するための手法ではなく、公園を使う人たちの生活自体をサポートするためのものであるということを実感する。メタボリズム対策として運動するために公園を使う人がいるのであれば、その人にどんな運動がどんなダイエットに向いているのか、どの運動はどれくらいのカロリーを消費するのかを提示すること。さらにファーマーズマーケットを開催してダイエットに利く食べ物を紹介すること。また、運動方法や料理方法に関する講座を開催すること。これだけのことで、レクリエーションだけでなく健康福祉関係の施策にも寄与することができる。パークマネジメントは、レクリエーションだけでなく、健康福祉、教育、産業、環境など、プログラムの組み合わせ次第でいろいろな部局とつながって事業を展開することができる可能性を持っている。
さらに興味深かったのは、ジョアン女史はMIGで働く前までゴールデンゲート国立公園局で働いていたということ。ちょうど調べてみたかったクリッシーフィールドが位置しているのがゴールデンゲート国立公園である。この国立公園は、行政機関である国立公園局とNPO組織である国立公園保全協会が対等なパートナーシップのもとにマネジメントを展開している。クリッシーフィールドおよびゴールデンゲート国立公園のパークマネジメントについて詳しく話を聞いた。クリッシーフィールドだけでなく、ゴールデンゲート国立公園全体のマネジメントについて調べてみたくなった。
15時からは、MIGのローレル女史からデンバー市でMIGが進めるプロジェクトについての説明を受ける。こどもの遊び場を設計するプロセスについて教えてもらった。
16時からは、ペンシルバニア大学大学院を卒業したばかりの福西健太氏が合流し、MIGのラリー氏にエディブルガーデンへ連れていってもらう。エディブルガーデンは、バークレーで一番人気のあるレストラン「シェ・パニース」のオーナーであるアリス・ウォーター女史が始めたプロジェクトで、小学校の庭に菜園をつくるとともに、キッチンを完備した小屋を建てることによって、小学生が食べ物を育てて、それを収穫し、調理して食べるところまでを一貫して体験できるというプログラムである。菜園のガーデナー5名とキッチンのシェフ2名はそれぞれプロで、小学生たちは各学年ごとにさまざまな野菜を育てて料理している。次回のOSOTOの特集が「食べる」になりそうなので、事前に取り組みを取材するとともに写真を撮影しておく。
さらにラリー氏が関わっているコミュニティガーデンと散歩道づくりプロジェクトを見せてもらう。サンフランシスコにも良質なコミュニティガーデンがいくつかあるようだが、バークレーにも3つの良質なコミュニティガーデンがある。アメリカでも大きな庭が持てない人もいるそうで、そういう人たちが数年先まで予約待ちしているというコミュニティガーデンをいくつか案内してもらった。また、近隣住民と一緒に整備している散歩道も案内してもらったが、地元種の植物を地元の人たちと一緒に少しずつ植えていくプロジェクトには多くの人が参画しており、平日の日中でもかなり多くの人が散歩道を利用していることを実感した。
バークレーはかなり環境意識の高い人が多く住んでいる街である。4th st.の本屋には、ロハスやエコ関係の本ばかりが並ぶ棚がずらりと並んでいた。一面、緑の表紙や背表紙である。エコロジカルな食材や商品を扱った店だけを紹介するサンフランシスコのガイドブック「グリーノピア」など、市民のエコ感覚を醸成する方法に関するヒントをたくさん見つけることができた。ぜひ、日本でも同様の取り組みをしてみたいものである。
サンフランシスコ市街へ戻り、中華街へ行って夕食を食べる。福西氏もアジア料理を食べることにすぐ同意する。アメリカ料理はそう長く食べ続けられないという点で意見が一致した。
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